理事長あいさつ

理事長松信 裕
いま私たちの世界は大きな変革の時を迎えています。地球規模では温暖化による気候変動や民主主義国と権威主義国の対立、そしてAI等のデジタル技術の発達は人間の仕事を奪ったり、世界の変化を先取りするなど数え上げればきりがありません。
JAXA(ジャクサ)で働いていたロケットやロボットの研究をしているある学者は、数百年後には現在の人類はロボットと結合し「ヒューロ」という新しい生き物が生まれるとまで言っています。
大風呂敷を広げたような書き出しですが、このような時代に山手学院は何が出来るのか。このような時代に山手生はどう生き抜いていくのか。私のような年長者には難しい事の連続ですが、中学校・高等学校の皆さんには変化を先取りして生き抜いていく力を身に着けていただきたい。私たちはそのお手伝いをしたいと切に願っています。
1966年この学校が誕生した時、創立者はここまでの変化を想像していたかどうかは分かりませんが、生徒たちの将来に大きな可能性の夢を描いていました。
そのために世界の人たちとコミュニケートする力を着け、自身のやりたいこと・目標を限りなく応援していこうと思っていました。
その創立者の思いは代々受け継がれ、ますます深みを増してきています。数々の国際交流の実施や進学率の向上など、その後の山手学院の生徒たちと先生方の努力が実り、立派な60周年を迎えようとしています。山手学院は自由と規律、学業向上と自己実現、そして世界と渡り合える能力の開発、バランスと進歩を大切にします。
日本の国力が落ちてきていると言われています。大学生を中心に留学の希望者が減り、論文の提出数も減り、英語力も国別では下位に位置し、技能オリンピックでも過去の1位が続いた時代から10位まで落ちてきています。どうかこの傾向を山手生に打ち破ってほしいと願っています。