高校 各教科から
2017年度 山手学院高等学校入学試験 出題傾向
国語
国語科では、高校生としての総合的な国語力を身につける基礎となる「読解力」と「語彙力」をはかるための問題作成を心掛けています。平均点は例年60点程度です。出題形式は以下の予定です。(例年通りで大きな変更はありません)
- 一 論理的な文章(評論文・論説文)
本文中の用語や指示語・接続語等に注意し、文章構成における論理的な流れを把握することが大切です。どのような展開で何を論じているか、文の要旨に対する理解を問います。語彙力も重要ですから、たくさんの文章を読み、言葉の力を鍛えておきましょう。 - 二 文学的な文章(小説・随想)
文学作品を読解し鑑賞する力を問います。読み手の主観的な考えや感想ではなく、作品中に根拠を求め、文学作品独特の表現に即して正確に読み取ることが必要です。「問いの意図」をくみとった上での「適切な答え」を意識して解答して下さい。 - 三 言葉の問題
漢字の読み書きのほか、口語文法、手紙や文章の書き方、敬語、ことわざ、慣用句、修辞技法、四字熟語、教科書レベルの文学史等を幅広く出題します。とくに文法問題は例年必ず出題しています。高校の古典理解の前提として、口語文法を理解していることが必要だからです。文節分け、単語分け、各品詞の性質、活用語は活用とその種類、などを必ず復習しておいてください。
数学
来年度入試の問題構成は今年度入試と同様です。問題は全部で25題、各4点の均等配点です。中学校で学習する全範囲から出題しますので、しっかり練習しておいてください。
- 【1】は、計算問題が4題。正負の数、文字式、式の展開などです。
- 【2】は、方程式が3題。1次方程式、連立方程式、2次方程式です。
ここまでの正解率は例年8割程度ですので、ケアレスミスのないよう確実に解きましょう。 - 【3】は、小問(いわゆる一行問題)が9題です。例年は因数分解、式の値、関数の範囲、場合の数、確率、方程式を利用した速さ、角度、三平方の定理などの平面図形が出題され、空間図形が出題された年もあります。正答率に差が出る傾向があります。苦手分野を作らないよう幅広く学習しておくようにしましょう。
- 【4】~【6】は、小問が各3題あります。比較的に解きやすいと思われる順番に並べてありますので、少なくとも(1)は確実に正答したいところです。また、関数は必ず出すようにしていますので、十分学習しておいてください。
問題冊子には余白部分が多く、冊子の左側に問題文、右側は全て余白になっています。計算スペースは十分にありますので、根気よくきちんと計算しましょう。ただし、解答用紙には途中の計算式を書かせるところはありません。答えのみ記入です。また、解答欄にはあらかじめ単位が記載されていますので、転記ミスのないよう、その単位を必ず確認してください。
試験にむけて、過去問題を繰り返し解き、弱点分野は、標準的な問題集でさらにトレーニングしておくとよいでしょう。
英語
外国語を勉強するのに、語彙・暗記力・理解力が必要なのは当然ですが、山手学院ではそれらに加えて次のものが必要だと考えます。まずは、知らない言葉に出会った場合にも想像力を働かして、文意を類推する力です。また、外国語習得への道のりは大変なものですから、学習の動機となる言葉への興味や関心を持ってもらいたいです。そして、何よりも努力することを忘れないようにしてください。受験生の皆さんには、以上のことを念頭において英語の学習に臨んでもらいたいと思います。
山手学院では英語の入試問題を通して、受験生の皆さんの文章読解力を測りたいと考えます。長文読解に関しては、まず中学校で学ぶ英文法をきちんと理解し、単語や表現の意味を覚えましょう。その知識を土台とし、文章の流れをつかんだり、時系列を追って文章を理解したりすることができるかなどが問われるでしょう。会話文では前後の会話から会話の流れを判断し、言葉の「キャッチボール」が出来るか、またそれぞれの話者の主張をくみ取ることができるかなどが問われるでしょう。また、初めて出会う単語や表現へ対応する力も見られます。こういった点に留意して学習を進めて下さい。
来年度の入試問題は、A日程B日程共に長文問題が二問と文法問題という例年通りの構成になっています。
まず、長文問題についてです。長文二問のうち一問は会話形式となっています。会話文は実際の会話と同じように、長いやりとりが含まれます。長文問題の設問は、例年通り、読解力を問うものと文法の知識を問う問題からなっています。読解問題は、1つの表現を問うものから、著者の考えを問うものまであり、幅広く読解力が測られます。受験生にとって難しいと思われる単語や表現には注釈が付いていますが、文脈から意味を判断してもらうものもあります。前述した想像力を存分に活かして、この問題に当たりましょう。
次に、文法問題についてです。適語選択、語順整序、書き換えなどの形式で文法力を問うものになっています。例年、受験生に難しいと思われる代名詞・未来を表す表現・否定疑問などが出題されています。
最後に、受験対策に関するアドバイスをしておきます。まずは、過去問題を解いてみましょう。当校の傾向に慣れるために役立つのはもちろんのこと、上記のような文法問題のポイントを押さえるのにも役に立つはずです。次に、長文問題対策として、400語以上の新聞記事やエッセイを読んでみることをお勧めします。さらに、その長文を要約してみるのも読解力を高めるのに大いに役立つでしょう。最後に、中学で学んだ文法事項をきちんと復習することです。難しい問題を解くときにこそ、基礎的な知識がものをいいます。しっかりと見直しをしてみましょう。以上のようなことを参考にして、受験勉強をがんばってください。